永住権(SPR)を破棄する理由
2023年も暮れる頃、私のシンガポール時代のSPR(シンガポール永住権の略)とCPF口座(年金中央積立金)解約、払い戻しに関するすべての手続きが苦労の末、完了しました!
色々面倒な書類集めで大変な思いもしたけど、ほんとお疲れさん!って感じでした。
私がシンガポールを離れると決めた時に、その時に手続きしようかとも思ったのですが、
また働きにくるかもしれない…という期待もあり、2023年まで放置状態でした。
が、ところが、昨年末になるとCPFより「Statement of Account」というCPFの残高が記載された残高証明書がいつしか我が家に届かなくなり、不思議に思って、CPFのウェブから残高確認しようとしたら、なんと!SingPassがロックされてログインできず、こりゃぁやばい!CPF口座ってなくなった?(=今まで積み立てたお金が吹っ飛んだ?)とすごい不安に駆られました…。
※SingPass: 税務申告、住所変更、CPF閲覧等、個人に関する手続きをする際のオンラインシステム
CPFに問い合わせると、「恐らくあなたのSPR、更新日にリニューアルできてないんじゃない?」と言われ、はっとして更新日を確認したところ、2022年で更新切れてるやん!
コロナですっかり忘れていました…。失効。
ICA (シンガポール移民局)によると、アポを取った上でICAに赴いて、「失効後シンガポールへ働きに帰り、再度税金を納めること」を証明することをICAに説明できれば、1年ごとに更新できるかもしれない、とのこと。
1年だけかぁ、毎年シンガポールに行って、説明するのも面倒だし、と思い、キャンセルしようと決めました。
周りの友達はもったいない、今SPRなかなか取れないから残しておけばいいのに、と言っていた人もいたけど、物価高であったがために本帰国したものの、そこに住むのに飽きてしまった、ということが大きな理由でしたので、多分もう住まない…。
あと、2023年になってから、CPFより、「海外在住の元SPR用の口座を今年中に整理整頓。2024年からCPFでは管理しないので早めに解約手続きを行って」というニュースリリースがあったのも理由です。放置しておけば高金利がついて資産運用するには良かったけど、「クローズしてください、国民や現SPR用に金利を回すから!」みたいな感じで強制退去って感じですね。
私の経験を元に、SPR、CPF口座それぞれのキャンセル方法を記録し、皆さんのお役に立てればなぁと思いますので、ぜひご参照ください。
永住権キャンセル!
SPRのキャンセルは、シンガポールではICA (移民局)に行けば、その場で即キャンセルでき、キャンセルレターが発行できると聞きましたが、私は日本在住ですので、ICAの窓口である日本にあるシンガポール大使館にアポを取って訪問しなければいけませんでした。
ウェブでアポ取れるのでめっちゃ便利!
治外法権である大使館そのものはかなり重々しく、アポ時間まで門の外で待たされます。時間になったらセキュリティから「〇〇さん、どうぞ」と呼ばれ、入っていく感じです。
日本のシンガポール大使館の窓口では、シンガポール人らしき人が対応してくれます。
シンガポール外務省によると、下記書類を揃えて窓口に提出します。
- パスポート
- 現在and/or過去 持っているREP (Re-Entry Permit)
- 永住権のカード(紛失したのであれば、警察から発行された紛失届)
- ICA宛先にした永住権破棄誓約書(自分で作成。簡単な文でOK)
注意)
永住権のカードはICAにて完全に返却します。返却しなかった場合、この後の手続き:CPF口座の解約中にCPFがICAにカードの返却を必ず確認するそうです。CPF返金に要する期間は4か月、その手続きの中、カード返却がされなかったことが分かれば、CPF手続きが1か月目に入っているとすると、その期間は失効し、カード返却されてから改めて手続き1日とカウントし直されます。つまり手続きが1か月長くなるということですね。
備考)
ICA宛の誓約書は、自作となるようです。私はその場で白紙に手書きで一文簡単に書きました。ICA名、SPRを破棄すること、日付、署名、これだけで良いとのことです。
上記書類の他、ICAが用意した書類にサインや拇印したりしました。大使館ではICA代行手数料として1,000円払います。(現金のみ)
シンガポールのICAからキャンセルレターが発行され、手元にくるまで約2-3週間かかります。
私のカードと誓約書がシンガポールへ飛行機で運ばれ、ICAで確認、発行作業、レターを日本へ飛行機で輸送、となるとその位かかりますね。日本の自宅まで送ってくれるのはありがたいです。
レターが来た時は「きたーーーーー!」と感動しました。
次はCPF口座解約!
このキャンセルレターをもって、CPF口座解約に進めます。(CPF HP参照)
そして、こちらのフォームに必要事項を記入します。
<特記すべきポイントは下記の通り>
- CPF口座解約後の振込先口座:DBS/POSBもしくはシンガポール島内の国内銀行: 永住権を申請した時の銀行口座だと、手続き終了後、速やかに(2-3日)そこへ振り込んでくれます。
- 日本の銀行向けだと、100万円以上の送金となる場合、日本の銀行に着金した時、銀行から連絡がきて、色々聞かれます。送金理由、お金の出元等。税務的には問題ないのですが、銀行が細かく聞いてくるので、私はこの送金を取りませんでした。まだどうするか考えており、シンガポールの口座に置いたままです。少額ですが、WISEなら手数料安く送金できます。
- シンガポール以外の国でこのCPF解約申請書を提出する際(国外からCPF WEB内のフォーム<SINGPASS使用>やクーリエ等で郵送で送る際)、日本にあるシンガポール大使館が指定した場所等で文章に対する公証人の証明が必要となります。(Notary service) 私はシンガポールへ赴いて手続きしましたが、不要ですが、念のため、公証人証明はやっておきました。
- 「SingPass」を持っているなら、申請書に記載されている「Write to Us」からPDFデータとして送ることが可能のようです。また、島内にDBS/POSB/OCBC/UOBの銀行口座がある人も、現在SingPassが失効していても、WEBから送れるようです。クーリエより書類紛失なさげで良さそうです。
- サポーティング書類のひとつ、永住権を申請した時のパスポートが現在のパスポートと違った際、日本の外務省で古いパスポートを申請した際の申請書の写しを念のため取り寄せました。永住権の申請書に記載されていた昔のパスポート番号が申請書の写しに記載あれば良いかなと思い、CPFに提出した際、窓口で説明しました(笑)
- サポーティング書類のひとつ、Bank Documentsは特に窓口で必要とされませんでしたが、念のため、DBSにログインして、自分の口座の詳細が記載されている箇所をコピーしました。
- 申請する場合、これは必要かな?と思う書類が思い浮かべば全て用意しとくのが良さそうです!
全て書類が揃ったら、シンガポールの窓口へ行く場合、アポが必要となります。
アポ取らないと窓口で手続きしてもらえないので気を付けましょう。
手続きの所用時間はおよそ30分位で終わり!書類受付まで不備がないかドキドキしましたが大丈夫そうでした。
一回不備が出ると、そこからまたやり直しなので、面倒を避けるため、私は書類を10回位見直しました。不備があれば私の日本の携帯まで連絡くれるとのこと、丁寧ですね。
8月中旬に申請し、12月末に着金を確認しました。
その後、CPFから郵送でキャンセル、振込通知完了書を受け取りました。
申請前には何度か現地のCPFに電話して、申請書類等、色々聞きましたので、国際電話代が高くつきましたが、おかげで、一度の不備なく、完了することができました。
また、ICAやCPFで送った際(もしくは向こうから貰った)の全ての書類は極力保管できる限り、ずっと持っておくことが大事かなと思います。何もないと思いますが、後で色々あった時のために…。
また、8月のシンガポール渡航で多くの友達にお世話になりました。改めて感謝を込めて(^_-)-☆
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